森見登美彦『きつねのはなし』

きつねのはなし (新潮文庫)

きつねのはなし (新潮文庫)

読了。不思議なこと,人知の及ばないことを引き起こすのは決まって闇なのだった。「視認不可能性」が,「理解不可能性」の分かりやすいメタファーとなっており,いろいろと予感を抱かせるつくり。ディテールの情報量の多さもあいまって,視覚に訴える作品といえる。ところで登美彦氏,「樋口」という苗字になにか因縁でもあるのだろうか。気になって仕方がない。