映画「トイレット」鑑賞

本日休みのため映画を観に銀座へ。荻上直子監督新作。3人兄妹の母が,亡くなる直前に日本からばーちゃんを連れてきた。
私は「かもめ食堂」を観て以来,フィンランドにちょっとしたあこがれを抱いている。個人的には,北欧独特の無駄のなさ,静かな存在感,そして……「涼しそうなところ」,に魅力を感じている(南国は暑いから駄目)。知り合いにその話をしたところ「フィンランドの名物ってなに」と聞かれて,エアギター世界選手権というばかばかしいイベントのことしか答えられなかった程度のあこがれだが。そのエアギターの話題,「かもめ食堂」にちょっと出てきたが,本作にもちゃっかり登場しているあたり,荻上監督はフィンランドにぞっこんとお見受けする*1
思わず話がずれたが,舞台はおそらくアメリカかカナダ(ロケはカナダで行われている)。みんな英語なのでばーちゃんとは話が通じないはずなのに,なんとかなってしまう。荻上作品における もたいまさこはほとんど超能力者だ。全然いいけど。リサ役のタチアナ・マズラニー,さっぱりしていてキレのある演技がよかった。それと,本作での「日本」という国の描き方はわりと気持ちよかった。こだわりなく,あまり表に出てこない扱い。まあ,気持ちの良さは単純に日本人が作ったゆえかもしれないが。
場面転換を焦らないゆったりした作り,シリアスとしんみりとクスクス笑いの絶妙な配合といった,荻上作品らしさは健在。どうやったらこんな映画が撮れるんだろう。

ところで,同じプロジェクトで,松本佳奈監督の「マザーウォーター」という映画が10月末に出るらしい*2。出演陣に「めがね」のメンバー多数。こちらも観たい。

*1:ちなみに,配給元のスールキートスという会社名もフィンランド語からきている。ここは「プール」の配給元でもある。「かもめ食堂」をきっかけに設立されたのかもしれない。

*2:マザーウォーター」公式サイトに「このプロジェクト」という表現がよく出てくる。「かもめ食堂「めがね」「プール」といった一連の映画制作のことを指すのだと思うが,具体的にどのようなプロジェクトなのか,もう少し知りたい。