情報を捨てるインタフェース
現代は大量の情報が流通する時代だが、それは客観的に見た場合の話であって、情報を処理する人間の側から見ると、捨てるべき情報がどんどん増えている社会といえる。情報を捨てる、というのは言うだけならたやすい。しかし斜め読みという行為にある種の苦痛を感じる私のような人間もいるわけで、そういう人は、たとえばTwitterでいうなら意図的にフォローを絞るなどしてなんとか流量を調節している。それでもフォローしたいアカウントは増えるもので、取捨選択というまことに贅沢な悩みを抱えるのである。できれば、たくさんフォローした上で、総量から適当に間引かれた情報を見たい。これから必要になるのは、自分の目で情報の取捨を判断するという面倒と、「捨てる」というネガティブな行為とを回避するインタフェースではなかろうか。Facebookには「ハイライト記事を先に表示」という機能があり、これはちょうどその役割を果たしている。ポストを適当に捨てるというネガティブなことを、「ハイライト記事」というポジティブな表現にしているのがうまい。情報の取捨選択などということは新聞だってやっているが、個々人のタイムラインから間引くというのは案外まだ行われていないことじゃないかと思う。
食べログのニュースは何が話題を集めているのか
食べログのステルスマーケティング問題、冷静に考えれば口コミベースのサービスの宿命としかいいようがない。まるで「ステマ」そのものが話題を集めているかのように見えるが、多くの人が驚いているポイントは「評判の良いサービスだったのに、そんなことがあったなんて」というよくある形のものなのであって、報道する側はそこを見誤らないようにしてほしい。オリンパスの不祥事で「優良企業と思われていたのに、そんなことがあったなんて」と思うのと同じ。
webの耐えられない重さ
昨年末に買ったPC(AspireRevo AR3700-N14D)が想像以上に非力で少々がっかりしている。とりわけ遅いと感じるのがブラウザで特定のサイトを閲覧するときだ。webの閲覧といえば「パソコンの用途」としてはメールと並んでライトなものという印象があるが、最近はまったくそうではないのが現実である。Twitter、Facebook、YouTubeといった超メジャーなサービスがことごとく重い。JavaScriptが多用されているせいかあるいはCSSのせいか、原因はよく分からないが、とにかくスクロールすらガクガクでどうにもストレスフル。ライトバージョンのサイトがほしい。
佐藤雅彦・竹中平蔵『経済ってそういうことだったのか会議』
佐藤雅彦・竹中平蔵『経済ってそういうことだったのか会議』読了。ずっと積ん読にしていた本。初版の刊行は2000年なので内容は若干古いが、基本的な事柄が多いので問題なく読める。むしろ今はやりのTwitterだのFacebookだのといったものがごちゃごちゃ入ってこないぶん明快な印象を受ける。内容は経済(学)のごく基礎的なこと、つまり貨幣、株、税金、投資などを平易に解説したもので、万人向けの入門書として良書だと思った。就職活動前の学生が読むと良いのではないだろうか。佐藤雅彦氏は電通に勤めていたそうだが、巻末で竹中氏も書いているとおり経済学に対しては非常に素朴な(素朴すぎるのではないかと心配になるくらいの)考えを持っている人のようで意外だった。
ところで、対談形式の本はまとまりがないものが多いので最近は避けるようにしているのだが、本書はまとまっていて読みやすいと感じた。佐藤氏のQに対する竹中氏のAという風に役割分担が明確で、かつその形式が本書の狙いにもマッチしており、この形式こそが良いんだなと思った。
iCloud「フォトストリーム」を使ってiPhoneの写真をWinodws PCに保存するやり方
iPhoneの写真をPCに溜めこむ形で保存したいのだが、iPhoneとPCで写真を同期する方法がたくさんあって何がなんだか分からず、いろいろと調べたので覚え書き。同期の種類と方向、それと、単純にiPhoneの写真をPCに移したい場合の便利な設定は以下の通りである。フォトストリームをONにするだけで、ほかは使用しない。ただし後述するように、写真の方向がおかしくなるという問題がある。
写真の同期の種類 | 方向 | 設定 |
---|---|---|
コントロールパネル - フォトストリーム |
iPhoneからPC | ON |
写真のインポート (デバイス接続時の「自動再生」、または手動でのインポート) |
iPhoneからPC | 何もしない |
iTunes - 写真の共有元 |
PCからiPhone | OFF |
フォトストリームの仕様
- フォトストリームに写真が滞留する日数は30日(枚数制限は明記されていない)。
以上はiCloud:フォトストリームに関してよくお問い合わせいただく質問 (FAQ)を読めばだいたい分かる。ただし「フォトストリームから写真が消えてもPCのフォルダ内の写真は残る」ということは読み取れず、Web上のいろんな人のブログを読んでどうやらこういう動きらしいと知った。iCloudのヘルプにも書いてない。超重要な点だと思うのだが…。フォトストリームの仕様が分かりにくいという記事は検索すれば山ほど出てくる。ついでに言うと、1,000枚というのがフォトストリーム自体の上限枚数であるように書いているブログが多いが、Appleの説明を読む限り、あくまでiOSデバイス上だけの話。これも誤解されている点の1つである。
というわけで、フォトストリームの設定だけしておけば写真は粛々とPCに溜まっていく。
Winodows 7の仕様
フォトストリームを使ってPCに写真を落とした場合、エクスプローラやフォトギャラリーで見ると写真の方向がおかしい場合がある。推測だが、WinodowsがExif情報をちゃんと見てくれないためで、ちょっとこれはどうにもできない。写真の整理にはPicasaなどを使った方がいいのかもしれない。ひどい。ちなみにフォトストリームを使わず、フォトギャラリー(エクスプローラでも同じ)のインポート機能を使い、「読み込みの詳細設定」から「読み込み時に回転」を選ぶと、そのExif情報を読み、写真を正しい向きに回転させてから保存してくれる。なんだかすごい無駄を感じる。
古い写真はどうするか
フォトストリームに乗っかっていない写真は別途「写真のインポート」で保存すればよい。フォトストリームのダウンロードフォルダに入れても問題ない。フォトストリームの仕様と合わせるならば、「読み込み時に回転」させないでインポートする。