佐藤雅彦・竹中平蔵『経済ってそういうことだったのか会議』

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)
佐藤雅彦竹中平蔵『経済ってそういうことだったのか会議』読了。ずっと積ん読にしていた本。初版の刊行は2000年なので内容は若干古いが、基本的な事柄が多いので問題なく読める。むしろ今はやりのTwitterだのFacebookだのといったものがごちゃごちゃ入ってこないぶん明快な印象を受ける。内容は経済(学)のごく基礎的なこと、つまり貨幣、株、税金、投資などを平易に解説したもので、万人向けの入門書として良書だと思った。就職活動前の学生が読むと良いのではないだろうか。佐藤雅彦氏は電通に勤めていたそうだが、巻末で竹中氏も書いているとおり経済学に対しては非常に素朴な(素朴すぎるのではないかと心配になるくらいの)考えを持っている人のようで意外だった。
ところで、対談形式の本はまとまりがないものが多いので最近は避けるようにしているのだが、本書はまとまっていて読みやすいと感じた。佐藤氏のQに対する竹中氏のAという風に役割分担が明確で、かつその形式が本書の狙いにもマッチしており、この形式こそが良いんだなと思った。