「漬け」[zuke] は仮名でどう書けばいいのか

「漬け」というものがありますな。

づけ【漬け】
1 《保存のため醤油に漬けたところから》すし屋の隠語で、マグロの赤身のすしのこと。また、その赤身。

づけ【漬け】の意味 - 国語辞書 - goo辞書

これって,仮名で書く場合「づけ」と書いていいのだろうか。
内閣が決めた「現代仮名遣い」(解説はwikipedia:ja:現代仮名遣い)というものがあって,今の日本語表記は大体これに従っているのだが,それによれば

第1 語を書き表すのに、現代語の音韻に従つて、次の仮名を用いる。
ただし、下線*1を施した仮名は、第2に示す場合にだけ用いるものである。

直音

あ い う え お
か き く け こ が ぎ ぐ げ ご
さ し す せ そ ざ じ ず ぜ ぞ
た ち つ て と だ   で ど
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ ば び ぶ べ ぼ
ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ
ま み む め も
や   ゆ   よ
ら り る れ ろ
わ       

[…]
第2 特定の語については、表記の慣習を尊重して、次のように書く。
[…]
5 次のような語は、「ぢ」「づ」を用いて書く。
(1) 同音の連呼によって生じた「ぢ」「づ」
例 ちぢみ(縮) ちぢむ ちぢれる ちぢこまる つづみ(鼓) つづら つづく(続) つづめる(約△) つづる(綴*)
〔注意〕 「いちじく」「いちじるしい」は、この例にあたらない。
(2) 二語の連合によって生じた「ぢ」「づ」
例 はなぢ(鼻血) そえぢ(添乳) もらいぢち そこぢから(底力) ひぢりめん いれぢえ(入知恵) ちゃのみぢゃわん まぢか(間近) こぢんまり ちかぢか(近々) ちりぢり […]
〔注意〕 次のような語の中の「じ」「ず」は、漢字の音読みでもともと濁っているものであって、上記(1)、(2)のいずれにもあたらず、「じ」「ず」を用いて書く。
例 じめん(地面) ぬのじ(布地) ずが(図画) りゃくず(略図)

「現代仮名遣い」に関する内閣告示及び内閣訓令について:文部科学省

この規則からいくと,「づけ」は「第2 - 5 - (1),(2)」のどちらにもあてはまらないので,「ずけ」と書かなければならないのではないか。
それとも,「づけ」はおそらく「何々漬け」の「何々」が取れたものだから,「第2 - 5 - (2)」にあてはまるという判断になり,よって「づけ」でOK,となるのだろうか。
「第2 - 5 - (2)」で挙げられている語例はどれも「二語の連合」そのものであって,「漬け」のように前半が取れたのはない。こんな言葉はそうそうないのだから当たり前だ(私はちょっとほかに思いつかない)。「表記の慣習を尊重」という目的に従えば「づけ」でよさそうではある。


……というのはあくまで「上の規則に厳格に従う場合」の疑問であって,個人的には普通に「づけ」で良いと思います。おわり。あ,ちなみに「痔」はこの規則によれば「漢字の音読みでもともと濁っているもの」ということで,「ぢ」ではなく「じ」です。

*1:引用元は(けしからんことに)下線が落ちてしまっているので,こちらから拾った:http://homepage3.nifty.com/recipe_okiba/nifongo/genkana.html