森見登美彦『四畳半神話体系』読了,『夜は短し歩けよ乙女』購入/アニメのDVD見たい/相対性理論

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

読了。面白かった。ぼろアパートの四畳半に起居するくされ大学生*1が薔薇色のキャンパスライフを求めてごにょごにょする話。主人公の一人称で語られる地の文がそこはかとなくおかしくて,このユーモアの練り込みぶりはちょっと漱石の『吾輩は猫である』を彷彿とさせる。「唾棄すべき」だの「傲然と」だのといったどうでもいい修辞が楽しい(何回も使いすぎだが!)。尊大な言葉遣いのまま自己嫌悪に陥るあたりが残念な感じを増幅させるのだった。今思えば,大学時代の生活というのは,どうやってもつきあう人種が似てくるので,結果としてはある一定の枠からそうそうはみ出るものではない。しかしその均質さの中にある細部のバリエーションは驚くほど豊富なんだろうと思う。
あとは,京都の地理を知っていれば2倍くらい面白かっただろうなー。森見の『夜は短し歩けよ乙女』も買ってしまった。読むのが楽しみだ。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

ところで『四畳半神話体系』はフジテレビの「ノイタミナ」枠で今年アニメ化された。その時分にはまだ読んでいなかったのでアニメも見ていないが,DVDも全4巻出たので見たい。デフォルメされた絵柄が個性的だ。

まだある。アニメのエンディングテーマがYouTubeに落ちていたのだが,これが素敵で,何回も聴いている。背景のアニメーションも実に緻密である。歌は相対性理論のボーカル,やくしまるえつこ

まだある。相対性理論は「LOVEずっきゅん」しか知らなかったが,どうも面白いユニットのようなのでツタヤでいろいろ借りてきた。ヘンテコな歌詞とやる気のない歌,妙に手の込んだドラム。好きになる予感がするぞ。はい,今ここ。わたくし今ここ。
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