コミュニケーション能力

たまたま目についた記事。きちんと評価することは私の手に余る(←最近気に入っている表現)が,少々気になったところ。

岩佐
[...]「コミュニケーション能力がいらない」というのは言い過ぎですけど、「ビジネスマンといえばコミュニケーション能力だ」という話がよく出ていたじゃないですか。でも、いわゆるネットの発達とか、PCを含めてコミュニケーション手段とか色々なものが増えていくことで(コミュニケーション能力を重視する傾向は)薄まっていくと思う。
猪子
むしろないほうがいい。コミュニケーションってエンターテインメントだから、その能力が高いと楽しい。だから新しいコミュニケーションのほうに行かないんです。コミュケーション能力が低い人のほうが新しいコミュニケーションのほうに行く。たとえば、コミュニケーション能力が高いと、女子大生とも共通の興味がなくても話せるわけ。それは楽しいことです。でも、コミュニケーション能力が低い人は、女子大生と話すことができないから、自分のすごく詳しい分野をブログなんかに書く。そうすると、自分が本当に詳しい分野に対して本当に理解してくれる人が集まってくる。いい人材もいいユーザーも集まる。進化論と一緒で、"前のコミュ二ケーション能力"が高い人は進化できない。(前時代的な)コミュニケーション能力の低い人のほうが有利になってくる。コミュニケーション能力の低い人が勝つんですよ。*1
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/04/05/goolabs/index.html

謎だ。これは私の考えだが,コミュニケーション能力という言葉は「質問や受け答えが的確にできる能力」という意味で使われる場合と,「会話全般を雰囲気良く円滑に進められる能力」という意味の場合とがある(後者は前者を一応内包している)。この記事では後者を指している。そういう意味ならばなくてもいいのかもしれない(「ないほうがいい」かどうかは分からない)。でも前者の意味のコミュニケーション能力は持っていたほうがいいに決まっている。
まあ,ベンチャー企業みたいなところで働く人を想定して言っているのだろう,世界の違いみたいなものを感じる。それにしても,「コミュニケーションってエンターテインメントだから」って……。
猪子氏の言う「勝つ」人というのは,人が集まってくるほどの「すごく詳しい分野」があるから勝っているわけで,コミュニケーション能力が低いことはあんまり関係ないような。

*1:引用者注。「"前のコミュ二ケーション能力"」の「前の」は「元々持っている」という意味か。また「(前時代的な)コミュニケーション能力の低い人」とあるが,コミュニケーション能力が低い人は前時代的なのだろうか。よく分からないので記事を書く人は分かりやすく書いてほしい。ついでながら前者は片仮名のニが漢字の二になっている。