「おくりびと」

(音が出ます)
池袋にて。楽団のチェロ弾きだった男が,楽団解散で山形の実家に帰り,納棺師になるという話。
納棺師としての成長物語ではない,ということがポイントである。仕事自体で悪戦苦闘というわけではないのだ。実際,夜中に呼び出されて仕事に行った場面でも,特に問題は起こらなかった様子。それよりも主人公が困惑するのはただただ,納棺をなりわいとすることに周囲の理解が得られないという点で,それをじっくり描いているのがとてもいいと思った。
弔いは死者のためにする儀式だけれども,遺族がその人の死を自分自身の中に位置づけるという意味もあるように思った。
実はこの映画を知ったのは今日で,時間の都合も良かったので行ったのですが,すごくいい作品だった。泣けました,ええ。