「崖の上のポニョ」

渋谷にて。すごいすごいという評判なので,見てきた。内心 懐疑的だったことをここに告白します。すいませんでした。まだよく飲み込めないけど,すごかった。以下ややネタバレ。
といっても,半分くらい音楽を聴いてたんだけど。トロンボーンが大活躍だったのでなかなかいい気分だった。ほとんどトロンボーンアンサンブル状態のところとかあった。よく知らないのだが,ブリュンヒルデというのはワルキューレ関係の名前なんですね。音楽がやたらとワーグナー風だったのはそのせいだろう。久石譲はすごい。
絵に関しては,かなり彩度の高い画面で,明るさではない「彩度のまぶしさ」にちょっと圧倒された。家周辺のイラストタッチと,デフォルメされた海が,宮崎駿にしては意外な感じがした。
内容としては,「全てを受け入れよう」というメッセージなのだろうな。宗介はともかく,ポニョの存在にまったく疑いをさしはさまない母親にはびっくりだけど。メッセージとしてはありきたりといえばありきたりだが,それは結局,受容ということの難しさを物語っている。考えてみれば,受容よりも拒絶のほうがコストはかからないもんなあ。だから受容は尊いのか。などとぼんやり思った。
両親が名前呼び捨てなのだけは勘弁してほしかった。私なら自分の子供にそれは許さない。
いろいろな裏設定(?)についてはhttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-487.htmlに優れた考察があるようなのでどうぞという感じ。この記事は事前に知っていたがあまりにも長いので最初のちょっとしか読んでいなかった。「3」がキーポイントというのは当たっていたと思う。今日帰ってきてからまた読んでみたがやっぱり長いのでやめた。497氏はブログにでも書けばいいのに。後半の,水位が上がった世界はいったい何だったのかわけもわからず映画は終わってしまう。なんだかちょっと怖い感じがしたが,そうかあれは異界ってことか。
地上がずいぶん緑みどりしているのはなんだろうと思いつつ見ていて,この作品は 海=青,地上=緑,ポニョ関係=赤 なんだな,と気づいた。ポニョを入れるバケツがよくある青じゃなくて緑なのは,青だと海側になっちゃうからですな。宗介の家のソファーなんかも緑だし。光の三原色(これも「3」だ)だから,全部合わさると白い光ということで,これもまた天上の世界っぽい。上の「神過ぎた件」でだれも触れていないようなのが意外なんだけど(あたりまえだからか?)。