森見登美彦『太陽の塔』
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
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森見作品は「行きつけの店」の描写がいい。
私は長すぎる睡眠から眼を覚まし,煙草を一服吸ってから,朝食を調達するために近所のパン屋へ出かけようとした。そのパン屋は下宿から歩いて三分ほどの路地にあり,こぢんまりとした可愛い店である。ここ数年,私はソーセージを挟んだ焼きたてのフランスパンと,クリームパン,そして珈琲という食卓がなければ何も手につかない。部屋を出る前から,ぱりぱりと音を立てそうなパンの香ばしい匂いが鼻先をかすめた。(p.89)
書きぶりこそあっさりしているが,「猫ラーメン」を筆頭に喫茶店もパン屋も,なにしろ主人公の愛があふれている。ついでにいえば,「珈琲」「ウヰスキー」という表記がやたらにうまそうなので私も適宜真似をすることにする。
今日は『きつねのはなし』を買った。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06/27
- メディア: 文庫
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