今日の日経新聞

久々にコラム「核心」を読んだが,文章のひどさに唖然とした。前からこんなだっただろうか。出来の悪い天声人語みたいだ。冒頭の「空走感――。説明した言葉がそのまま跳ね返って」から既に意味不明である。バレンタインやら朝青龍やらを持ち出すのも効果的とは思えないし,読んでいたらいきなり「第2に」ときて,第1はどこだったかなと探し回った(たぶん3段落前)。客員コラムニスト氏しっかり……! あんまり腹が立つので2つだけ紹介しておくと:

豊田社長は行動をとるまでにかかる時間は「正しく原因をとらえて問題を解決するカイゼンのプロセスと理解してほしい」という。カイゼン過程でトヨタは学習するがその間は消費者にはなしのつぶて。顧客を不安のブラックボックスの中に放置しておいて章男氏が何度も繰り返す「顧客第一」も何もない。

「なしのつぶて」は消費者のアクションに対してトヨタから返事がないということだから,「消費者には」というのはいかにもおかしい*1。「ブラックボックス」は外から見て様子が分からないことを言うのであって,中に入るものではない。それから「章男氏が何度も繰り返す」をここに置くとかなり意味がとりづらい。

電子化したのでプログラムのバグは付き物と割り切るわけに行かない。ことは人命にかかわる。パソコンソフトならたとえマイクロソフト製でもバグを含んだお試し版も看過されようが自動車にお試し版はない。

後半,一読して意味分かりますか。「たとえマイクロソフト製でもバグを含んだお試し版も」のあたりが,うわあああ。

*1:それと,「「なしのつぶて」ってアメリカ産のもあるんだろうか」とか思った。