漢語はかっこいいという話など

新世紀エヴァンゲリオン(の再放送)にハマっている。本放送は1995〜96年だから,実に14年遅れということになるが,面白いものは面白いのだ。新劇場版の「破」は,とりあえずテレビの再放送が「破」の内容に追いついたら観に行くことにしている(まだだよね?→って,「破」はけっこう独自ストーリーがあるのか。もう観てもいいかな)。
エヴァのかっこよさの要因はいろいろあるが,最近私が注目しているのが漢語である。まず,漢語は概して発音がかっこいい。その最たるものが「第3新東京市」という地名である。発音するだけで快感ではないか。「小田原市」や「相模原市」ではこうはいかない。モッタリした和語に比べて,漢語はリズミカルだ*1自治体の名前としてはやたらと長いわけだが,この長さは「発音して恍惚を味わうための長さ」なのではないか。もちろんそういう意図ではなかったのかもしれないが,意図的でないならば相当なセンスだと思う。
込み入った字面もポイントである。ほかでもない新劇場版のタイトルが「1・2・3」ではなくわざわざ「序・破・急」だ。使徒を打ち破ることは「殲滅」という。たとえば「破壊」や「撃破」だってそんなに悪くないが,「殲」の強烈さの前ではかすんでしまう。これを例の極太の明朝体*2で提示すれば,重機を連想させる重々しい雰囲気になる。
アンビリカルケーブルA.T.フィールドといったカタカナ用語も多い。意味不明でありながら,どうやら的確に使われているらしいことに我々はなにかかっこよさを感じるのである。しかしリフト・オフの直前は「最終安全装置解除!」であり,ここは「なんとかシステム」のようなカタカナではない。これから出撃ということで覚悟を決める場面ならば,軽いカタカナよりも実感がこもってかっこいい漢語の方がいいのかもしれない。
いやあそれにしてもおれ,イタいなあ。さてそのエヴァンゲリオンであるが,金曜深夜の放送を録るのに180分テープを使ったところ,デッキにテープがひっかかってしまい再生不可能だった。どうにか再生しようとしたら勝手に主電源が落ちて「完全に沈黙」した。あんたバカぁ? 無念である。電源を入れ直してテープ取り出しを何度か試みたところやっと出てきた。このテレビデオもだいぶガタがきているのだろうか。イレギュラーなテープを使うのはやめておこう。このままだと話のつながりが分からなくなるなあ。DVD借りるか。

*1:詳しい説明は省くが,重音節が漢語には多く含まれる。だからモーラ数の割にシャキシャキ発音できている気になるんじゃないかと思う。「第3新東京市」は11モーラだが6音節。

*2:ちなみにフォント名は「マティス Pro EB」(フォントワークス)。参考記事,エヴァフォントを導入しました:(有)増田技術事務所 【品質工学2.0】:So-net blog