「おと・な・り」

恵比寿にて。アパートでお隣同士のカメラマンと花屋の店員が,お互いの生活音を通してひかれあっていく,という話。
2人はそれぞれちょっとしたトラブルに巻き込まれて,ひとつ「おとな」になるというストーリーでもある。七緒(麻生久美子)がちょっと私に重なるようなところがあって身につまされた。フラワーアレンジメントの資格を取ろうと練習中の彼女は,いまひとつ生きが良くないような花はあっさりゴミ箱行きにしている。目的のためにしていることではあるが,そのことにあまりにも無自覚ではないか……と,あるできごとをきっかけに気づかされる。私はここ数年,知らず知らずのうちに,興味のないものは自分の中でばっさり切り捨ててつきあわないようになってきた。それってよくないよな。人間が硬直している。私は一貫性というものを大事にするのだが,それだけだといつかポキッといきそうでこわい。そういう意味では,私にとって「おとな」になることは柔軟性をもつことである。
それにしても映画に出てくるアパートってなぜこうもおしゃれなのか。住みたい。ここにきて部屋の整理&模様替え願望が。うーん,やっぱりベッド買おうかなあ。