「ふがいない日本人力士…技術面でのハングリー精神に限界なし」(産経新聞)が悪文な件

産経新聞そのものを貶める意図はないが,この記事はかなりの悪文でうんざりした。歯切れがよければいいというものではない。以下すべて強調は引用者。

日本人力士の優勝は? 平成18年初場所栃東までさかのぼる。18場所連続して“外国人力士”に席巻されている。その栃東今は引退していない。

▲まずこれがありえない。「引退して,もういない」という意味だが,ちょっと読むと「まだ引退していない」の意味に取れてしまう。

相撲協会は市場開放政策に出た。国内供給が少なく、人不足対策としたが将来を見据えてない。

▲「見据えていない」が普通ではないか。

協会を取り巻く環境全体がターゲットが強い間は、その風が収まるのを耐えて待つ。力が衰えるとこぞってバッシングする。いわく「品位、品格に欠ける。あるまじき行為…」と。プロレスに転向した横綱曙が語ったことがある。「結局何をしても(外国人は)批判されるんですよ」は言い得て妙である。

▲一読して意味分かりますか?
「協会を取り巻く環境全体ターゲット強い間は、その風収まるのを耐えて待つ。」 ひどい。主語述語は「環境全体」が「耐えて待つ」。それと「ターゲット」というのは(外国人)力士という理解でOKだろうか。それから,「曙が語った」のはこの段落の内容全体か,それとも「結局〜」だけなのか,前者のような気がするがよく分からない。

デンと鎮座する官僚的組織をヒールがどうするのか…興味津々だった。そして盛り上がり、興行的には大成功を収めた。協会の一部から「品位、品格はさておき…」と強きヒールを称賛する。

▲「興行としては」のほうがいいのではないか。また「協会の一部から〜」ときたら,「称賛する声が上がった」とでも結ぶのが普通ではないか。