言語学論文の変な例文

言語学の論文の例文はときどき明らかにウケを狙ったやつ(→前の日記d:id:trb-es:20070513#ks;例文自体ではなく説明が…)とか異常にマニアックなやつ(→d:id:a27sst:20080606#p1)が入っていてニヤニヤしてしまうのだが,その中に「面白いんだけど,狙ってるのか狙ってないのか分からないやつ」というのが時々あってえもいわれぬ気分になる。論文で取り上げているパターン(構文なりなんなり)を杓子定規に適用して作った例文にそういうのが多い。
というのも,上のマニアック例文と同じ西山佑司『日本語名詞句の意味論と語用論』(ひつじ書房)で,さっきシュールなのを見つけてですね。

甲:新しいのがいいのは何だろう。
乙:うん,女房と畳がそうだ。
甲:なるほど,たしかに,女房と畳は,新しいのがいいね。他にないかね。
乙:辞書もそうだ。
甲:そうそう,辞書は新しいのがいいね。
(p.249)

この甲と乙は何者なんだ。