地方のネット利用と，それにまつわる雑感
いちばん下に追記あり。
- 地方でネットの利用が進んでいない話 - 北の大地から送る物欲日記
- 地方でネットの利用が進んでいない話（２） - 北の大地から送る物欲日記
- 地方でネットの利用が進んでいない話（３） - 北の大地から送る物欲日記
私も地方出身（宮城県；いまは東京で学生）なのでたいへん興味深かった。あまりまとまっていないが，思ったことなど。
ネット利用の遅れ
少し古い記事だが，これを思い出した。
で，
あの、県民のうちネットユーザーがどれくらいいるかという比でやってくれないとまったく意味のない調査なんですが。
意味のない調査 - 好奇心と怠惰の間
というわけで，ITmediaの調査のうち順位に関しては単なる人口比とだいたい一致するのだった。
比率はどうかというと，この2つの記事によれば
- ネット世界の人口構成は，東京16.68％，最下位は島根で0.34％。東京は島根の約49倍
- リアル世界の人口は，東京12,378千人，島根は749千人。東京は島根の約17倍
ということで，ネット利用率に関して東京は島根の約2.9倍ということか（計算合ってるか？）。順位は変わらなくてもやっぱり差は開いている。
インフラ不足かというと，よくわからない。田舎でもADSLくらいならよほどのことがなければ引けるが，光回線はまだである*1。
以上すべて2005年現在。ネット世界の人口構成の最新調査はどこかにないかな。
田舎のネット利用はいきなり携帯がメインになるのかも。
携帯はみんな持ってるし。どこでも使えるし。まあ，私の実家は家の中だと多少電波悪かったりするけど。
イベントの告知について――そもそも他地域の人が来るのか
今回紹介した二つのイベント「第二回やきとリンピック in 室蘭」「第45回登別温泉地獄まつり」に関する情報は、地元に住んでいる人で新聞を取っている人ならチラシで、もしくは市内あちこちに貼られているポスターなどで知ることができるが、違う地域に住んでる人、新聞を取ってない人、ネットに詳しくない人がこれらの情報を探そうと思ったら相当苦労すると想像できる。
地方でネットの利用が進んでいない話（３） - 北の大地から送る物欲日記
しかし，そもそも他地域の人が来るのか，という疑問がある。田舎は都会と比べてなにもかも遠い。公共交通機関も不便で，夜の最終が早い。ネットに情報があったとしても遠くだったら行かないという人が多いのではないか（泊まりがけなら話は別だが）。ということで，竿灯祭りみたいな超有名どころを除けば，「ターゲットはもっぱら地元民」ということになるのではないか。
田舎ではマスメディアは健在なので，新聞を取っていない家もそう多くないだろうから，告知は目に入りやすい。そして，クルマ社会なので，イベントに行くなら家族で行ったりするのではないか（と想像；ちょっと自信なし）。
そうだとすれば「地元の人ばかりだけど，人は集まる」ということになる。ネットは出る幕がない。
このことにかんしては，どういう方向に向かっていけばいいのかよくわからないが，ネットだけで根本的になにかできる問題ではないと思う。
追記：あ，問題はむしろ「他地域の人が行こうと思っても，情報が探せない」ことか？ たしかにそれは問題だと思う。
田舎に光を（ふたつの意味でな）
どこかで読んだが，IT企業も結局は都市部，というか東京，もっといえば六本木ヒルズとかに集中するのだった。ネットがあればどこにいてもカンケーなくなる，みたいなことを聞いたような気がするのだが，現状はそうではないようだ。無責任なことを言うようだけど，どこかちょっと大きめのIT企業がいきなり田舎に会社を移したりしたらどうなるだろう。
せっかくネットはフラットな世界なんだし，都市部のユーザが多いんだから，田舎の情報をのっければ見てもらえる機会は増える。Googleストリートビューはなんで都市部から撮影を始めるのだ。どうせなら「ダーツの旅」みたいにして，とんでもない順番で撮影した方が面白いのに。
そういえば，外国に紹介される「日本」が「東京」とイコールになってきているような気がしないか。あるいは，ニュースの街頭インタビューが渋谷ばっかりなのは手抜きじゃないですかNHKさん。今の田舎に必要なのは，継続的に注目されること，ではないか。一極集中は豊かな文化とはいえない。
そういうおまえはどうなんだ
かくいう私も来年からは東京で働くことになっている。でも最近になってかなり地元，というか田舎が気になってきてしょうがない。東京で働くよりほかにやることがあるんじゃないの，という自問。
ネットの話から離れてしまったが，最近そんなことをよく考える。上に書いたことも，勘違いなどあると思うのでご指摘いただきたい。
私は何ができるのだろうか。
